久しぶり!!元気してた?
どしたの、こんな道の真ん中でぼーっとして。
え?ぼーっとしてるんじゃなくて、今走っていった救急車に気を取られてただけ?そうなんだ。あの救急車ね・・・ふうん。
うん、あの救急車、すぐそこのコンビニに呼ばれたんだよ。でももう全然手遅れなんだけど。
んー、別に現場は見てない。知ってるだけ。
・・・あ、またそんな目をするぅ。
学生の頃もそうだったっけ。私がユーレイ見えるって言っても絶対信じてくれなかった。ま、見えない人にとってはいないのと一緒だから別にいいんだけどさ。
え?今?今も見えるよ。以前よりハッキリしてるくらい。
そうそう、せっかくだから怖い話を1つだけしてあげる。
実はさっき救急車の来てたあのコンビニでね、1ヶ月くらい前、女の子が亡くなってるの。親が買い物をしてる間に外へ出て、ちょうどバックで駐車しようとしてたワゴンに引かれちゃったんだって。おかっぱ頭の目がくりっとしたすごくカワイイ子。
で、その子、自分が死んだことが分からず、急に一人になったように感じててすごく淋しいものだから、コンビに来た人で気に入った人を連れて行っちゃうのよ。どこにって?つまり『あの世』。
正確に言えば、あの世とこの世の間かな。いわゆる地縛霊ってやつになっちゃうワケだから。
あ、笑った。ひどーい、ホントだってば。ホントにホント。
だって・・・・・・私もその子に?まっちゃったもん。
あーあ、やっぱ全然信じてないね。仕方ないか。
でもさ、あのコンビニをよく利用してるアナタも、その子は前から結構気に入ってたのよ?信じなくていいけど、今、アナタの腰にしがみついてる。私、せめてそれだけアナタに教えてあげようと思ったの。友達・・・だった、からさ。
じゃあね。
向こうで待ってる。
2005.12.15